立岩ダム(広島県)


太田川本流の最上部に位置するダムです。
戦前の開発で、当時としては大きなダムだったようです。



山奥のダムですが、中国自動車道吉和ICからアクセスしやすい場所にあります。
私はダム下流方面からダムを訪れましたが、上流側、中国道方面へは通り抜けできませんでした。冬季閉鎖の関係でしょうか。



天端、ゲート周辺は改修を受けており、そんなに古いダムという感じはしません。
天端は解放されていますが、ゲート巻き上げ機等が下流側の眺望を妨げています。
そもそも、このダムに観光要素はなさそうです。



ダム下への道はなさそうです。正面からダムを見る場所もなさそうです。
地図上では、信用できそうにない道が書かれているので、右岸下流からその道で接近します。
左岸へ渡る橋のところで積雪に阻まれ徒歩に切り替えました。そして、そこからは廃道です。



雪に刻まれた動物の足跡に一抹の不安を感じながら廃道を進むと、ダム下付近へ接近できました。



引ける場所がないので全体を眺めるのは容易ではありません。
年月を経たコンクリートを感じることができました。



●立岩ダム(たていわ)
位置:広島県山県郡安芸太田町打梨
河川名:太田川水系太田川
管理者:中国電力


2014.12.29

帝釈川ダム(広島県)


便利な世の中になったもので、インターネットを使えば概ねのことがわかってしまったりします。
私のダム巡りは、割と無計画で適当なものですが、無駄を減らそうと考えれば、面白そうなものに的を絞る必要が出てきます。
ダム便覧や先人たちの訪問記などが非常に参考になり、これぞというターゲットが決まりました。
そして2014年末、帝釈峡ダムを訪れました。



地図で堤体に最も近い道を探し、行き止まりまで車を進めます。手前には駐車場があります。
車両では入れませんが、徒歩で堤体まで行くことができます。



湖畔に降りたところに管理所、発電所の取水口などがあります。




崖沿いに設けられた屋根付きの歩道を進むと、天端へたどり着きました。
対岸まではわずかです。



究極的な土木構造物は非常に魅力的で、ダムにおいては、とかく高いものは魅力的に感じます。
帝釈川ダムは、さらに堤体規模に対する貯水容量、堤体の縦横比で目を見張るものがあります。



堤体下流面はクレストゲート2門を中心に、両側に導流壁、その外側はフーチングがあるだけのスリムな構造です。




天端から下流側を眺めると、そそり立つ崖が目に入ります。ダム建設以前はさぞ深い谷が続いていたのでしょう。


ダム正面を拝むために川へ降りるべく右岸を散策してみました。
ロッククライマー御用達の岩場がありましたが、川へ降りる道などは発見できません。この辺りは準備不足です。
谷が深いので無防備に下って行くわけにもいかず、断念しました。
右岸の高い位置にも上がりましたが、木が多くて堤体下流面を望むことはかないませんでした。


次に左岸の崖を登りました。天端から正面に見える岩場の上あたりへ行くのです。
もう少しというところまでは行けましたが、急激に下降する斜面にそれ以上の前進を阻まれました。

木が少なければあるいは…
濡れるのを覚悟で夏場に遡行するのがいいのかも知れません。



帝釈川ダム(たいしゃくがわ)
位置:広島県庄原市東城町三坂
河川名:高梁川水系帝釈川
型式:コンクリート重力式
高さ:62.43m
頂長:39.50m
洪水吐ゲート:鋼製ラジアルゲート2門
       鋼製ローラーゲート2門
管理者:中国電力


2014.12.29

土師ダム(広島県)


土師ダム、それは広島市の水がめ。



広島に引っ越して、ダムを見る目的で出掛けて行った初めてのダムです。
広島市内からそんなに遠くなく、規模も立派でちょうどよいダムでした。
ここのダムから送られた水は太田川に届き、広島市の水道として活用されているわけです。




横長な堤体はあまり提高を感じさせず、個人的には少々物足りません。
ゲート部以外はシンプルなデザインです。



そして、ゲート付近はごちゃごちゃとしていて興味深いものがあります。
オリフィスゲートが裸でよく見えるのは珍しいのではないでしょうか。
操作室がついていたり、コンジットゲートで堤体に内蔵されてしまって見えないことが多いものです。


右岸には展望台があります。
以前は樹木が生い茂り、眺望は望めませんでしたが、すっかり伐採されていました。

▲去年秋



▲今春



今回訪れたのは、フラッシュ放流が行われるということを耳にしたからです。



大雨でも来ない限り、ゲート操作されていることがあまりありません。
こういう機会はよくチェックしておきたいものです。



土師ダム(はじ)
所在地:広島県安芸高田市
河川名:江の川水系江の川
型式:重力式コンクリートダム
ゲート:ホロージェットバルブ2条 ?
    オリフィスラジアルゲート2門
    クレストラジアルゲート2門
    引張ラジアルゲート1門
提高・提頂長:50m・300m
総貯水容量:4700万m3
管理者:国土交通省
本体着工/完成年:1970/1974年


2014.6.19、10.20
2015.3.26

生見川ダム(山口県)


私の趣味の一つに鉄道があります。
おそらく鉄道趣味はメジャーなものなのでしょう。私などはすっかり冷めてしまった鉄です。
そんなわけで、今日はあまり考えもなく錦川鉄道に乗ってきました。
途中、生見川ダムが近くにあることに気付き、ダムめぐりと相成りました。



これまでダムを訪れるのは、ほぼバイクや車であり、公共交通機関でやってきたのは初めてです。
錦川鉄道椋野駅から3km弱でたどり着けます。ちょっとしたウォーキングにもよさそうです。



私の趣味にはランニングなどというものもありまして、駅から走ること20分でダムにたどり着きました。
坂がきついので、あまりお勧めはできません。





左岸には展望台が設けられており、十分な高低差、伐採によりなかなかの見晴らしです。



ダム直下にも道があり、そこそこ接近することができます。



●生見川ダム(いきみがわ)
位置:山口県岩国市美川町
水系・河川名:錦川水系生見川
目的:治水・正常流量の確保・工業用水・発電
形式:重力式コンクリートダム
完成年月日:昭和60年(1985年)3月
堤高:90.0m
堤頂長:215.0m
堤体積:361,000m3
総貯水容量:30,800千m3
管理区分:山口県土木建築部


2015.3.20

梶毛ダム(広島県)


ここは、私が広島にやってきて初めて訪れたダムだったのではないかと思います。
広島市街地から北西の丘陵地帯にある「西風新都」内に、このダムはあります。
造成地付近によくありがちな、全面コンクリート張りの防災調整池かも知れないと思いましたが、なかなか立派なダムでした。
オリフィスだけのシンプルな構造です。



ダムの背後には造成地が広がり、私の持っていたダムのイメージを覆す立地です。
山奥で人知れず水を湛える、雄大で、時には不気味でもあるダムとは全く異なるものでした。




付近には公園が整備され、新興住宅地から見下ろせるダム。



天端は左岸で行き止まりになります。左岸にある住宅地、公園には抜けられません。



地図には、川下からダム直下へ通じる道がありますが、立ち入り禁止となっています。
それとは別に、規制の張られていない道でダム直下を目指してみました。



そのうち通れなくなる道だと思いますが、草の勢いがない冬場、バイクで通行可能でした。
ダム直下にたどりつく前に、先ほどの立ち入り禁止の道路に出てしまいます。
あえてこの道で接近することに意味はなさそうです。




●梶毛ダム(かじけ)
所在地:広島市佐伯区五日市町石内
河川名:梶毛川
型式:重力式コンクリートダム
提高:49.0m
提頂長:225.6m
総貯水容量:106万m3
管理者:広島県


2014.11.16
2015.2.5、3.14

明神ダム(広島県)



さて、揚水発電の下池である南原ダムを見てきたわけですが、当然上池も見に行きたいということになりますね。
地図上では、上池である明神ダムに至る道路が描かれています。
明神ダムを目指した人なら承知のとおり、途中でゲートに道をふさがれてしまうことになります。
そこらの土地がすべて中国電力のものだとして、一切の立ち入りを禁じられているのならば諦めもつきます。
勿論そんなことはないわけで、登山道が存在します。
ぜひともご自身の実力を信じて、軽登山をお楽しみください。



ダムめぐりをしていると、時折、ダム本体に目もくれず、カードを集めているタイプの方に遭遇します。
既に何回も訪れていて今更鑑賞するまでもない場合もあるのでしょうが、そうでない場合もあるのでしょう。
人それぞれ価値観は違いますが、じっくりダムを観察することで見えてくる魅力は多いと思います。



明神ダムは、徒歩による接近を必要とし、そうでなければ目にすることもかないません。
すべてのダムマニアにおすすめはできませんが、多少の労苦もダム探訪の魅力に花を添えることになるのではないでしょうか。



途中にある滝までは車両走行できる程度の道があります。
そこから先は登山道になり、一部、足元の悪い斜面を登る区間もあります。
私は普通のスニーカーでしたので、グリップが不足して若干苦労しました。



滝の上の高さまで登り、川上方向へ向かうと、山中に突如フェンスがあらわれます。
この先のダムの存在を示しています。



さらに山肌を登り、登山道をたどっていくと、舗装された道路にたどり着きます。



南原ダム奥の南原峡から、明神ダムへとつながる道路であることがすぐにわかるでしょう。
中国電力によって封鎖されているのは、この道路のトンネルを含む区間だけであることが読み取れます。
考えようによっては、ここからダム方向の道路は登山者のために開放してあるだけ、とも取れます。



登山道の看板もあり、開放された道路と考えてよさそうです。ただし車では来られませんが…



そしてようやくダムが見えてきました。
堤体脇に余水吐がなく、植生のある自然の山肌に直接ロックが接触しているようです。
登山道に比べればアスファルトの道路は格段に歩きやすいですが、堤体までは多少の距離があります。



無事堤体へたどり着けました。残念ながら天端には立ち入れません。
人の気配はありません。閉ざされた道路からも、車がやってくることはないはずです。
ここは外界と遮断された陸の孤島のような場所です。



堤体付近からは人家等を見つけることもできません。
ダム自体は特筆するものはありませんが、この立地が魅力の一つかもしれません。
もとより揚水発電の上池は、落差を稼ぐべく、標高の高いところにあるものなのでしょう。




帰りも困難な登山道の歩行を強いられます。下りはより気を付けなければなりませんね。



●明神ダム(みょうじん)
位置:広島県広島市安佐北区可部町南原
河川名:太田川水系南原川
ダム型式:中央コアロックフィルダム
ダムの高さ:88.5m
ダム頂長:402.0m
管理者:中国電力


2015.1.21

南原ダム(広島県)


勤務明け、通勤用カブで南原ダム方面を訪れました。
広島市内方面から国道54号を北上すると、可部に入る手前くらいから、山に張り付く岩のダムが見えてきます。
岩を積み上げて作られたロックフィルダムである、南原ダムです。



高瀬堰付近から


私の持つダムのイメージは、重力式コンクリートで、ロックフィルダムは、どうもダムらしくないと感じてしまいます。
生まれ育った四国にはロックダムが少ないからかも知れません。
それでも、これだけの岩を積んだ土木構造物の規模は圧巻で、ダムの魅力を感じ取ることができます。
しかし、この向こうに水が溜まっていると知っているからであって、見かけは土捨て場や造成地とそんなに違わないとも思えます。
そう考えるとすっかり意気消沈してしまいます。



残念ながら、天端には接近できません。ますますテンションは下がります。



南原ダムは揚水発電をしている南原発電所の下池で、放水口兼取水口があります。
上池は明神ダムで、ここから上流約2kmほどの山中にあります。
明神ダムへの取り付け道路は中国電力の専用道路で、閉鎖されており一般車では立ち入れません。



近づけない天端付近をズームで狙ってみます。余水吐にはローラーゲート?がついています。
天端や付近の広場には景観を意識した柵もあり、すぐにでも一般開放できそうな雰囲気です。




●南原ダム(なばら)
位置:広島県広島市安佐北区可部町南原
河川名:太田川水系南原川
種類:ロックフィルダム
管理者:中国電力


2015.1.21