帝釈川ダム(広島県)
便利な世の中になったもので、インターネットを使えば概ねのことがわかってしまったりします。
私のダム巡りは、割と無計画で適当なものですが、無駄を減らそうと考えれば、面白そうなものに的を絞る必要が出てきます。
ダム便覧や先人たちの訪問記などが非常に参考になり、これぞというターゲットが決まりました。
そして2014年末、帝釈峡ダムを訪れました。
地図で堤体に最も近い道を探し、行き止まりまで車を進めます。手前には駐車場があります。
車両では入れませんが、徒歩で堤体まで行くことができます。
湖畔に降りたところに管理所、発電所の取水口などがあります。
崖沿いに設けられた屋根付きの歩道を進むと、天端へたどり着きました。
対岸まではわずかです。
究極的な土木構造物は非常に魅力的で、ダムにおいては、とかく高いものは魅力的に感じます。
帝釈川ダムは、さらに堤体規模に対する貯水容量、堤体の縦横比で目を見張るものがあります。
堤体下流面はクレストゲート2門を中心に、両側に導流壁、その外側はフーチングがあるだけのスリムな構造です。
天端から下流側を眺めると、そそり立つ崖が目に入ります。ダム建設以前はさぞ深い谷が続いていたのでしょう。
ダム正面を拝むために川へ降りるべく右岸を散策してみました。
ロッククライマー御用達の岩場がありましたが、川へ降りる道などは発見できません。この辺りは準備不足です。
谷が深いので無防備に下って行くわけにもいかず、断念しました。
右岸の高い位置にも上がりましたが、木が多くて堤体下流面を望むことはかないませんでした。
次に左岸の崖を登りました。天端から正面に見える岩場の上あたりへ行くのです。
もう少しというところまでは行けましたが、急激に下降する斜面にそれ以上の前進を阻まれました。
木が少なければあるいは…
濡れるのを覚悟で夏場に遡行するのがいいのかも知れません。
●帝釈川ダム(たいしゃくがわ)
位置:広島県庄原市東城町三坂
河川名:高梁川水系帝釈川
型式:コンクリート重力式
高さ:62.43m
頂長:39.50m
洪水吐ゲート:鋼製ラジアルゲート2門
鋼製ローラーゲート2門
管理者:中国電力
2014.12.29